日本国内にもタイの寺院がいくつも存在する。
なかでも最も知られているのは、ワット・パクナム日本別院だろう。
ワット・パクナム日本別院の本院であるバンコクのトンブリ地区にあるワット・パクナムは、古くから日本と深い繋がりのある由緒ある大寺院である。
また、横浜善光寺(曹洞宗)留学僧育英会の留学僧の派遣先のひとつとなっていることでもよく知られているタイ寺院だ。
近年は、ごく最近完成したばかりの大きな大仏や所謂“インスタ映え”する美しく綺麗な仏塔で大変有名な寺院となり、多くの日本人が参拝に訪れるバンコク観光の大人気スポットとなっている。
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ワット・プッタデッモンコン松本 (長野県松本市) 写真は、2018年11月参拝時のもの |
さて、日本国内には、一体いくつくらいのタイ寺院があるのだろうか。
インターネットで調べてみたところ、日本国内に瞑想センターも含めて20箇寺のタイ寺院が存在しているようだ。
インターネット上で調べがついたタイ寺院を以下に順不同で挙げてみることとする。
(※数字は、当方がわかりやすくするために順不同で付したものである。)
《在日タイ仏教寺院》
1、【ワット・インブンタンマラーム東京】
(東京都西多摩郡日ノ出町)
2、【ワット・パーチャッパンナランシー埼玉】
(埼玉県入間郡越生町)
3、【ワット・パクナム日本(ワット・パクナム日本別院)】
(千葉県成田市)
4、【ワット・パープッタランシー東京(ワッパープッタランシー)】
(東京都八王子市)
5、【タイ国タンマガーイ寺院(東京別院・本院)】
(東京都荒川区)
※以上の5箇寺は、『在東京タイ王国大使館』のホームページに「在日タイ仏教寺院」として掲載されているタイ仏教寺院である。
6、【タイ国タンマガーイ寺院栃木(栃木別院)】
(栃木県宇都宮市)
7、【タイ瞑想の森(法身国際瞑想センター栃木)】
※タイ国タンマガーイ寺院の瞑想施設である。
(栃木県那須烏山市)
8、【ワット・メッタダム】
(茨城県笠間市)
9、【ワット・パープッタランシー茨城(ワッパープッタランシーいばらき)】
(茨城県筑西市)
10、【ワット・タイ茨城(旧ワット・タンマワティープ)】
(茨城県鉾田市)
11、【タイ国タンマガーイ寺院群馬(群馬別院)】
(群馬県北群馬郡吉岡町)
12、【ワット・プッターラムタイ(ワット・ルアンプォチュンプッターラム)】
(埼玉県深谷市)
13、【タイ国タンマガーイ寺院埼玉(埼玉別院)】
(埼玉県東松山市)
14、【ワット・ラカン日本(ワット・ラカン・ジャパン)】
(神奈川県愛甲郡愛川町)
15、【タイ国タンマガーイ寺院神奈川(神奈川別院)】
(神奈川県海老名市)
16、【タイ国タンマガーイ寺院山梨(山梨別院)】
(山梨県韮崎市)
17、【タイ国タンマガーイ寺院長野(長野別院)】
(長野県東御市)
18、【ワット・プッタデッモンコン松本】
(長野県松本市)
19、【タイ国タンマガーイ寺院愛知(愛知別院)】
(愛知県江南市)
20、【タイ国タンマガーイ寺院大阪(大阪別院)】
(大阪府大阪市)
2022年11月現在、これだけのタイ寺院が日本に存在しているわけであるが、事例として多いのが、ある特定の有力寺院の別院・支院として建立される事例である。
未だ日本には存在しないが、アチャン・チャーの森林僧院のグループが世界各国に別院を有している事例がそれにあたるであろう。
ワット(=寺院)の後に『パー(ป่า)(=森林)』が付されている寺院は(“ワッパー”と表記されているのは、“ワット・パー”のタイ語の発音をそのまま日本語表記としたものである)、タイのどこかの森林僧院の系列寺院なのであろうか(タイには、アチャン・チャーの森林僧院のグループ以外にもたくさんの森林僧院の系統やグループが存在している)。
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寺院建立にあたっての経緯は、寺院ごとにさまざまだ。
すなわち建立にあたっての発起人や出資者、タイのどこの寺院の比丘が招聘されて日本に滞在しているのかなど、それぞれに事情が異なるわけであるが、詳細を知りたいところである。
上記のタイ寺院の中で同名の寺院があるが、系列寺院なのだろうか・・・これも詳細な経緯を調べてみないとわからないが、インターネット上に掲載されている情報からだけでは、残念ながらそこまでは調べがつかなかった。
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タイ国タンマガーイ寺院(東京別院) (東京都荒川区) 写真は、2022年11月参拝時のもの |
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タイ国タンマガーイ寺院(東京別院) (東京都荒川区) 写真は、2022年11月参拝時のもの |
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タイ国タンマガーイ寺院(東京別院) (東京都荒川区) プラ・モンコン・テープムニー師 (チャオクン・プラ・モンコン・テープムニー師) 写真は、2022年11月参拝時のもの |
注目すべきは、すぐにお気づきいただいたかとは思うが、日本にある20箇寺のタイ寺院のうち、半数の10箇寺がタンマガーイ寺院の別院であるという点であろう。
タイ国タンマガーイ寺院とは、拙ブログにおいても何度か記事として取り上げている新興仏教寺院であるワット・プラ・タンマカーイの日本の拠点だ。
タンマガーイ寺院は、日本国内において『タイ国タンマガーイ寺院』という法人名で宗教法人格を取得しており、正式な形で法的に認められた“日本の宗教団体”のひとつとして活動している(この点も大いに注目すべき点だ)。
(※タンマガーイ寺院以外のタイ寺院が宗教法人格を取得しているのかどうかという情報は、未確認である。その他にも取得している寺院があるかもしれないということを付記しておく。)
さすがは、巨大寺院である。
すでにご存知の通り、タイ国内では賛否ある新興仏教寺院(※新興宗教ではないし、新興宗派でもない。タンマガーイ寺院はマハーニカイに属するタイサンガの一員である。)であるが、ここではその点については触れないこととする。
・『タンマカーイ寺院の問題点について ~誰もが気づきにくい大問題~』
生活の隅々にまで仏教が根付いていて、ごく身近なところに仏教寺院や比丘がいて、しっかりと三宝が生きている。
それがタイという国だ。
お布施をし、徳を積むことを最上の喜びとするタイの人たちにとって、やはり寺院と比丘の存在はなければならないものだろう。
日本という遠く異国の地で、徳を積む場所である寺院と心の支えである比丘がいる環境が身近にあるというだけで、どれだけの心の安らぎとなることであろうか。
おそらくは、日本にいるタイの人たちの篤い信仰心がタイ寺院建立へと繋がっていったことは容易に想像することができる。
ゆえに、日本にあるタイ寺院は、日本人のためにあるというよりも、タイ人によるタイ人のための寺院であるといえよう。
タイの人たちの篤い思いが寺院を支えていると同時に、ひとつの寺院としての体裁を整えた場所と比丘たちが滞在し、生活をしていくだけの確かな基盤が背景にあるということを感じ取ることができる。
ここで、日本にあるタイ寺院の分布をまとめてみると、以下の通りとなる。
・東京都 3
・埼玉県 3
・茨城県 3
・栃木県 2
・神奈川県 2
・長野県 2
・群馬県 1
・千葉県 1
・山梨県 1
・愛知県 1
・大阪府 1
関東圏だけで半数以上を占めており、また長野県に2箇寺ある。
このタイ寺院の分布から、日本のどこの地域にタイ人が多く居住しているのかを読み取ることができる。
インターネット上に大変興味深いデータがあった。
日本における在留外国人数では、タイは10位だという統計がある。
※参考文献:
・出入国在留管理庁
データは、2020年10月現在
また、日本に常住しているタイ人の人数が多い県のランキングというものもあったので、参考までに掲載しておくこととする。
※参考文献:
・都道府県格付研究所
データは、タイ人:2010年による。
詳細については、参考サイトをご覧いただきたい。
1位、東京都
2位、千葉県
3位、茨城県
4位、神奈川県
5位、埼玉県
6位、長野県
7位、愛知県
8位、栃木県
9位、大阪府
10位、静岡県
11位、群馬県
おおむねタイ寺院の分布と一致しているかと思う。
民家を改装した寺院から、ビルを買取って寺院としたもの、あるいはタイの伝統的な建築様式による本格的なタイ寺院まで、実にさまざまである。
厳密に言えば、タイにおいて正式な『寺院』というのは、出家得度をさせることができる正式な布薩堂(戒壇)を有した寺院のことをいう。
ゆえに布薩堂(戒壇)を持たない寺院は、正式には寺院ではない。
一般にいう正式な寺院と仏教上の正式な寺院とは、意味合いが異なるのであるが、ここでは広義において全てがタイ寺院であるとして記述していることを付記しておきたい。
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ワット・プッタデッモンコン松本 (長野県松本市) 写真は、2018年11月参拝時のもの |
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ワット・プッタデッモンコン松本 (長野県松本市) 写真は、2018年11月参拝時のもの |
私は、日本国内に20箇寺あるタイ寺院のうち、3箇寺のタイ寺院を訪問し、参拝させていただいたことがある。
忽然と現れるタイ語が目印だといえるだろうか。
一歩玄関の敷居をまたげば、そこはタイだ。
人も、言葉も、空気も、全てがタイである。
その瞬間に、ここは日本であるということを忘れて、タイにいるのだという錯覚に陥ってしまう。
少しばかり違和感を残している元の建物の面影だけが、おそらくは改築前には日本人が使っていたであろう名残をとどめており、やはりここは日本だったのだとふと我に返らされる。
どのタイ寺院でも、実に親切にもてなしていただき、非常に恐縮してしまう。
このことは、タイ寺院を紹介するどのサイトにも記述されている情報ではあるが、私としては、ひとつだけ付け加えておきたいことがある。
私は、タイの寺院の“内側”を知っているからこそ、何の抵抗もなく立ち入ることができるのであるが、タイの寺院のことをよく知らない日本人の誰もが気軽に敷居をまたぐことができるのかと言えば、そうではない。
大いに抵抗を感じるというのが、むしろ通常の感覚なのではないだろうか。
なぜなら、そこはタイだからだ。
タイ寺院を訪問する際には、あらかじめ寺院での“礼儀”や“作法”、“習慣”などを予習しておかれることをおすすめしたいと思う。
そして、大切なお布施も忘れないでいただきたいと思う。
とはいえ、どこでもあたたかく迎え入れてくれるということは、確かなことであり、間違いのないことである。
タイと同じく、日本のタイ寺院であっても、誰にでも開かれているというのがタイ寺院のとても良いところだ。
ぜひとも、タイを身近に感じていただきたという思いは、もちろん私も同じである。
一歩足を踏み入れれば、懐かしいタイ語の響きとタイのほほえみが広がるタイの世界だ。
タイ語が飛び交うといっても、長く日本に在住しているタイ人ばかりであるから、日本語で話しかければ流暢な日本語で返してくれる。
タイの人たちの優しさ、タイの人たちの心のあたたかさに触れることができる。
そこは、まるで、ふるさとへと帰って来たかのような感覚である。
長らく会っていなかったお父さんやお母さんに再会したかのような気持ちだ。
日本人である私でさえ、これほどまでの感覚になるのだ。
生まれ故郷を離れて、遠く異国の地である日本で暮らすタイの人たちにとっては、どれだけ心の安らぎとなる場所であり、どれだけ心を癒してくれる存在であるのだろうか。
ここは、まさに心のオアシス、心のふるさとだ。
【参考文献(参考サイト)】
・在東京タイ王国大使館 公式サイト
・【19ヶ所】タイの寺院が日本でも見られる!
日本人がおすすめしたい観光名所をご紹介
・出入国在留管理庁 公式サイト
・都道府県格付研究所
※この記事は、執筆時である2022年11月現在確認できた情報を基にしています。
(『日本にタイ寺院はいくつある?』)
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