タイ佛教修学記

佛法を求めてタイで出家した時のこと、出会った人々、 体験と学び、そして心の変遷と私の生き方です。


礼拝

阿羅漢であり正等覚者であるかの世尊を礼拝いたします

ナモータッサ ・ パカワトー ・ アラハトー ・ サンマー・サンプッタッサ(3回)


2021/12/19

タンマカーイ寺院の素晴らしいところ


先日、タイのタンマカーイ寺院について指摘されているいくつかの問題点について考察してきた。


これらの問題点は、タイにおいて実際に指摘さている事柄である。


拙ブログにおいて記事としてまとめるにあたり、また特別勉強会を開催するにあたって、タイ在住の複数の方に聞き取りを行ったうえで、まとめさせていただいている(過去にメールで聞き取った内容も含む)。


ゆえに、できる限り中立的な立場を貫くものであり、タイ国内にある実際の声を伝えるものであるということをお伝えしておきたい。



しかしながら、私がタイへ渡った目的は、より原点に近い仏教を学ぶことであり、上座仏教での出家を通じて瞑想を修学することであった。


そうした経緯ゆえ、タンマカーイ寺院に対して批判的な見方へと傾斜しているというご批判があるかもしれないが、何卒お許しいただきたいと思う。


私が求めたのは、こうした仏教のあり方ではなかったということであり、賛否のご判断は、あくまでも読者諸氏の側にあるということをまず申し上げておきたい。




関連記事:


『タンマカーイ寺院の問題点について ~誰もが気づきにくい大問題~』




タンマカーイ寺院に関係されている方々にとっては、些か聞きづらいことがらが多かったのではなかろうかと思う。



しかし、私もタイでの出家生活の一時期をパトゥンターニー県のタンマカーイ寺院で瞑想指導を受けた身であり、全く内部を知らず一方的に記述しているわけではない。



タンマカーイ寺院のたくさんの人たちのお世話にもなっており、あたたかなご厚意を受けてきている。



より中立性を保つためにも、批判されている点ばかりではなく、私から見たタンマカーイ寺院の素晴らしいところについても触れておきたいと思う。









タンマカーイ寺院の巨大なホール
白い服装の人たちは在家の信者たち

タイでは白い服装は、
寺院へ参拝する在家者の正装である。






◆積極的かつ先進的な布教方法



タンマカーイ寺院の優れたところ。



それは、まず何を置いても、非常に先進的な布教方法であろう。



住職の説法は、毎回、同時に巨大モニターへと映し出されており、さらに境内の各所へと同時生中継(今で言うところのライブ配信)されている。



寺院内のどこに居ても、ほんの少し手を止めるだけで、住職の法話を聴くことができるのだ。



それだけではない。



法話によっては、同時通訳が施されて、世界各国へと同時生配信されている。



この話は、私がタイへと渡った20年程前の話である。



当時の私は、その先鋭的な手法に非常に驚いた。



日本の伝統仏教教団や大寺院はこのようなことはやっていない。



これは、私が帰国後に気づいたことであるが、日本のタイレストランや在日本タイ人たちの間において、この生配信がよく視聴されているようなのだ。



当時のタイとしては、これだけの先鋭的かつ、斬新なことを毎日実施しているのは、タンマカーイ寺院を置いて他にはない(これだけ大規模に実施しているところは、現在でも、他には無いのではないだろうか)。



また、歌やアニメーションなどを取り入れた映像を駆使する法話の手法は、目を見張るものがある。



外国人である私の目から見ても、大変わかりやすいものだ。



ちなみに、そうした姿勢は現在もしっかりと継続されており、YouTubeやFacebookなどでLive配信されているので、寺院内の様子をはじめ、説法や法要の様子などをLiveで視聴することができる。



私がタイに学んだ当時からは、想像もつかないインターネット社会となった現在であるが、先見の明があるというか、時代を先取りしているといってよいものだ。









この画像は、
撮影のためのものかと思われるが、
実際にこの画像のように
屋外でも瞑想修行を行っている






◆非常に真面目な修道生活



タイ社会では、これだけ厳しい批判の的となっているタンマカーイ寺院であるが、寺院の内部は非常に閑静かつ、大変真面目な姿勢で、とても真摯な修道生活が送られている。



瞑想の修学を希望する者に対しては、境内に瞑想修行に適したエリアが設けられており、まるで森林僧院にいるかのような、より簡素な生活を送ることができる。



また、時間に対して比較的緩やかなタイ社会にあって、非常に厳格であり、服装や履物などに対しても厳格である。



平たく言えば厳しい。



身なりに厳しく、細かなところまで指導される。



これは、おそらく日本人にとっては、ごく当たり前のことなのかもしれないが、タイにおいては、非常に珍しいと言える。




外国人に対しても、大変広く門戸が開かれており、短期間の瞑想修行コースなどが用意されている。



なお、日本人に対しては、日本人向けの『短期出家コース』が用意されており、インターネット上に公開されていて応募することができる。



日本人であっても、タンマカーイ寺院において一時出家が可能なのだ。



この短期出家コースで出家を果たされた日本人の知人が何人もいるのだが、誰もが大変真面目な姿勢と、整備された瞑想環境に感銘を受けたと話されており、それがきっかけとなってテーラワーダ仏教に興味を持ち、今も学びを継続されている人が多い。



日本には、こうした仏教的環境がないというのは残念極まりないことであるが、仏道修学のきっかけとなるほど、素晴らしい環境だということは、強調しておきたい。



実際に、タンマガーイ寺院内で瞑想を学ばせていただいた私も十分納得するところである。






背後に見えているのが
タンマカーイ寺院の大仏塔
非常に特徴的な形をしている



タンマカーイ寺院の大仏塔は、
無数の小型の仏像で覆われている






◆学問にとても力を入れている



タンマカーイ寺院では、学問に対して非常に力が入れられており、仏教の学問が奨励されている。



タイ国内における最年少の仏教教学試験合格者を輩出しているという。



また、日本の各大学へも多数の留学生を派遣しており、東京大学をはじめ、仏教系大学の大学院卒業者を何人も輩出している。



もっとも、そうした留学経験者たちは、将来的にはタンマカーイ寺院内の超エリート街道を歩む比丘たちであろうかと思われる。



私がタンマカーイ寺院に滞在させていただいた際に、東京大学大学院を卒業されたという長老比丘に面会させていただいたことがある。



特別な待遇であったことから、おそらくかなり高い地位の比丘だったのではないかと思う。



そのような方に面会させていただき、大変恐縮であった。



日本語が非常に堪能であったことは、言うまでもない。



日本にいるタイ人比丘の留学生のほとんどが、このタンマカーイ寺院出身者なのではないと言われているほど多数の留学生を送り出しているのである。




◆おわりに



以上、ここに挙げたことがらは、タンマカーイ寺院の素晴らしいところのごく一部に過ぎないが、他の伝統的なタイ寺院にはない大変優れたところがたくさんあるということが伝わったのではないかと思う。



他の伝統的なタイ寺院には見られない、特徴的かつ先鋭的な姿勢が、タンマカーイ寺院の特筆すべき点だ。



寺院内部の印象を一言でまとめるならば、とても「真面目」であることだろう。



しかしながら、そのような真面目が寺院がどうして数々の(寺院運営の面における)スキャンダルを起こしてしまうのだろうか。



残念ながら、それは私にはわからないし、あくまでもその点の追求が私の目的ではないのだから、これ以上は触れないこととしたい。




いい面、悪い面、双方お伝えすることができれば、この記事も少しはお役に立つことができたのではないかと思う次第である。




一般の出家者や在家信者たちと、寺院運営における幹部の人たちとの思惑は違うということなのだろうか・・・。




【関連記事】


タンマカーイ寺院の問題点について ~タイ社会における認識~


タンマカーイ寺院の問題点について ~誰もが気づきにくい大問題~


『タンマカーイ寺院の素晴らしいところ』




※ここに記述している寺院内における私の体験に関する箇所は、私がタイで瞑想を学んだ約20年前の体験をもとにしていることをあらかじめお断りしておく。


※今回、タンマカーイ寺院について記事としてまとめるにあたり、タイ在住の方に直接聞き取りを行っている。具体的なお名前については、ご本人様の承諾を得ていないため、公表は差し控えることとする。


※掲載しているタンマカーイ寺院関連の画像は、全てフリー素材の『pixabay』より。




(『タンマカーイ寺院の素晴らしいところ』)






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