タイのとある森の修行寺で住職さまのお付きをしていたことがあった。
“していた”と言うよりも、“ご指名”であるのでありがたく「させていただいた」のである。
その森林僧院の住職さまは、タイでは非常に著名な瞑想指導者でもある。
そんなお方から“お役”をご指名いただいたのだからとても光栄だ。
住職さまのお付きをさせていただくということは、住職さまと常に一緒にいるいうことである。
住職でもあり、瞑想指導者でもあるお方ともなると、通常は、ゆっくりと面談することさえ難しい。
だから、やはり非常に貴重な機会だ。
基本的には荷物持ちではあるが、普段の瞑想指導では、聴くことのできないお話や知ることのできないエピソードをはじめ、数々の学びが実にたくさんあった。
時には、私の側からも質問させていただいたりもした。
そういった意味でも、とても貴重な機会であり、やはりありがたい“お役”であったと思う。
タイのお寺では、戒律によってお昼の12時を過ぎると食事を摂ることができない。
唯一、午後であっても“食べる”ことが許されているのが「薬」だ。
面白いことにタイのお寺では、「チーズ」と「蜂蜜」が『薬』として扱われている。
ゆえに、午後であっても『薬』として“食べる”ことができるのである。
さて、住職さまのお付きで、いつもは聴くことのできないお話を聴かせていただいたひとつに「食」に関するエピソードがある。
ある日の午後、信者さんからチーズのお布施があったとの報告が住職さまのもとへと届けられた。
すると、住職さまが私に向ってポツリと話された。
「チーズに蜂蜜をかけて食べると、とてもおいしいのですよ。
昔、私が瞑想修行をした森林僧院の西洋人比丘がたちそのようにして食べていてね。」
このような話題を話されたのには、少し驚いた。
また、とても意外であった。
いつもは、瞑想に関するのことしか話さないし、私もそうした質問しか尋ねたことがない。
住職さまがいかにも人間的な話題を話されたのが、なんだか微笑ましく感じた。
また、非常に親しみを感じた瞬間でもあった。
住職さまは、西洋人出家者が多く瞑想修行している、タイではとても厳しいことで有名な森林僧院の出身だ。
そこで『チーズ』に馴染みの深い西洋人出家者たちから教えてもらったのだそうだ。
西洋人出家者(外国人出家者)が多くいるお寺というのは、タイ人ばかりのお寺とは違った、ある意味での独特な雰囲気がある。
チーズに蜂蜜といった西洋人好みのアレンジが見られるのもそのひとつだ。
住職さまは、西洋人出家者が多く瞑想修行している、タイではとても厳しいことで有名な森林僧院の出身だ。
そこで『チーズ』に馴染みの深い西洋人出家者たちから教えてもらったのだそうだ。
西洋人出家者(外国人出家者)が多くいるお寺というのは、タイ人ばかりのお寺とは違った、ある意味での独特な雰囲気がある。
チーズに蜂蜜といった西洋人好みのアレンジが見られるのもそのひとつだ。
タイの都市部以外の地域をはじめ農村部や山間部などでは、あまりチーズを食べる習慣がない。
ゆえに、普通のお寺でチーズを口にすることはまずない。
お寺でチーズを食べることのできる機会は、チーズをお布施してくれる信者さんがいた時であるが、そうしたお寺は、比較的裕福なお寺である。
私の3年間の出家生活のなかでは、タイ国内にあるさまざまなお寺で修行をさせていただく機会に恵まれたが、チーズを食べたのはこの時だけだ。
住職さまも、蜂蜜がかけられたチーズには、きっとたくさんの思い出があるのだろう。
私にとっても、大変思い出深い食べ物となった。
自宅でも時々作ってみることがある。
チーズを噛みしめながら、ゆっくりと味わいつつ、当時に思いを馳せるのである。
(『ある修行寺での思い出の食べもの』)
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