タイ佛教修学記

佛法を求めてタイで出家した時のこと、出会った人々、 体験と学び、そして心の変遷と私の生き方です。


礼拝

阿羅漢であり正等覚者であるかの世尊を礼拝いたします

ナモータッサ ・ パカワトー ・ アラハトー ・ サンマー・サンプッタッサ(3回)


2025/09/09

私がピンク色のガネーシャ像を知らなかった理由


タイと言えば、ピンク色のガネーシャの像で有名なワット・サマーン・ラッタナーラームという寺院が有名だ。


多くの日本人にとって、何らかの形で、一度は目にしたことがあるであろうタイの風景なのではないだろうか。


ところが、私がこの神像のことを知ったのは、ついこの間のことである。


そう、日本へ帰国した後のことだ。


タイに滞在していた時には、全く聞いたことも無ければ、見たことも無かった。



それにしても、なぜ、このような超有名寺院のことを知らなかったのだろうか・・・?






たーれっく氏撮影

ワット・サマーン・ラッタナーラーム寺院の
ピンク色のガネーシャ像
(※掲載の許可をいただいています。)






タイ全土にその名が知れ渡っていて、ご利益も甚大な神様ともなれば、神様とは触れることがない森の僧院と言えども、やはり嫌でもその“噂”は耳に入ってくるものだ。


そこは、いくら出家とはいえ、タイ社会の中にある“出家の社会”なのだから、有名なものや流行のもの、おおよその世間の出来事などは、やはり『情報』としてたくさん入ってくる。


社会から隔絶されている空間ではあるけれども、完全に隔絶されているわけでもないわけだ。



特に私の場合は、『外国人』であるがゆえに、珍しい場所や観光地(多くの場合は寺院)などへは、“お布施として”連れて行ってもらえることも多々あった。


(※僧侶に対してそうした観光的な要素を含むものをお布施される場合があり、そうしたことも“徳”のある行為のひとつとされる。)



話を元に戻すと、一応は一般の社会から隔絶された僧院で生活をしていたとしても、タイ国内にある有名なご利益寺院や有名な神様などについて、何らかの形でその“噂”を知ることができる。


しかし、全く知らなかったのというのは、なぜなのだろうか・・・?


実は、それもそのはずで、ワット・サマーン・ラッタナーラーム寺院のピンク色のガネーシャの像は、一般的な参拝を目的として2011年に建立されたもので、ごく最近の比較的新しい建造物だからだ。



それと、もうひとつ大きな理由がある。


神様にも“流行り”があるという点だ。


バンコク在住の日本人漫画家であるたーれっく氏によれば、近年、タイではスピリチュアルブームの波が起こっており、その影響によって神様の像やその礼拝施設などがタイのあちらこちらに建立されているそうである。


私があまりタイの神様について、タイ現地の人からの情報に触れることがなかったのは、僧院での出家生活という環境的な要因があったことと、私がタイに滞在していた期間は、まだ“神様の流行”の波がやって来る前だったという事情が重なってのことなのかもしれない。






たーれっく氏著
『タイの神様図鑑』より
(※掲載の許可をいただいています。)




たーれっく氏撮影

ワット・サマーン・ラッタナーラーム寺院の
ピンク色のガネーシャ像
(※掲載の許可をいただいています。)

日本人にも非常に人気の
有名な観光スポットのひとつである。





いわゆるガネーシャは、タイ語ではプラピッカネート(พระพิฆเนศ)といい、以前からタイでも信仰されている神様の一尊ではあるが、このような大規模な礼拝施設が建立されたり、とてつもなく大きな神像や豪華絢爛な施設が建立されたりするようになったのは、ごく最近の出来事なのではないかと私は見ている。


もっとも、私が知らなかっただけで、以前からあったことなのかもしれないが、私が直接見聞きしてきた範囲においては、全く知らないし、見ることもなかった。



『神様にも“流行り”がある』というのは、大変興味深く、日本にもどこか通じるものがあるように感じており、非常に親近感を覚える。


私がタイに滞在していた期間には、そうした流行りの波がまだ来ていなかったということではないだろうか。



神様や信仰の“流行具合”を知るひとつとして、プラ(プラクルアン)というお守りがある。


このお守りの意匠(デザイン)として神々の姿が採用されることがある。


お守りの意匠として人気を博するようになると(そのご利益が定着し、さらに評判が広まってくると)、こうした神像の建立へと発展していくという流れがあるらしい。



私も、いくつかタイのお守りであるプラ(プラクルアン)を持っているのだが、神様のプラクルアンはターオウェーッスワンのお守りを一体持っているだけであり、その他はブッダの姿か高僧の姿のお守りばかりだ。



さて、タイのスピリチュアルブームとは、どのようなものなのだろうか?



一言で言ってしまえば、ご利益信仰ということになるのかもしれないが、非常に人間味あふれるエピソードを持つものが多い印象だ。


是非ともタイ現地へ足を運んで、さらに詳しく調べてみたいと思うほど、強く興味を惹かれる神様がたくさんいるし、またその信仰を表現する“形”も伝統的なものから一風変わった“形”まで実にさまざまだ。



近年、手軽に閲覧できるようなったインターネットニュースなどで、タイの神様を取材した記事をいくつか読んだことがある。


まだまだ私が知らないことがたくさんあるものだと思いながら読んでいたのであるが、言われてみれば、それがそうしたスピリチュアルブームを反映したものなのかもしれない。



私がタイまで行ったのは、仏教を学ぶためであり、仏教の実践行たる瞑想を学ぶためだ。


タイの神様のことについて学ぶためにタイへ渡ったわけではない。


しかし、そうはいっても、タイの信仰は非常に重層的で、仏教の信仰や実践と何ひとつ矛盾することなく共存している。


そのあり方は、とても興味深い。


私の興味・関心を惹かないはずがない。



私が直接知っている範囲など、ほんのごく一部分にしか過ぎない。


私も、たーれっく氏の『タイの神様図鑑』で学びを深めさせていただきたいと思う。


そして、いつの日にかタイの神様に直接お会いすることができればと思う。






たーれっく氏


タイ・バンコク在住の漫画家。

タイのお寺の情報を中心に発信されている。


訪問されたお寺関係は、なんと約2600カ所!

タイ関係の電子書籍を多数出版されている。


たーれっく氏のXのアカウント。

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https://x.com/taarekrek

(@taarekrek



【関連記事】


『『タイの神様図鑑』が面白い!~在家の信仰と出家の信仰~

(2025年08月29日掲載




【参考記事】


タイ観光案内サイト【公式】:タイ国政府観光庁

ワット・サマーン・ラッタナーラーム

 (ピンクガネーシャの寺院)

https://www.thailandtravel.or.jp/wat-saman-rattanaram/




(『私がピンク色のガネーシャの神像を知らなかった理由』)






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