タイ佛教修学記

佛法を求めてタイで出家した時のこと、出会った人々、 体験と学び、そして心の変遷と私の生き方です。


礼拝

阿羅漢であり正等覚者であるかの世尊を礼拝いたします

ナモータッサ ・ パカワトー ・ アラハトー ・ サンマー・サンプッタッサ(3回)


2019/06/29

芸能人の出家


タイの宗教は仏教。


国民の約95%が仏教徒であるとされ、男性は一生のうちに一度は必ず僧院生活を体験するとされている。


大変敬虔な仏教国だ。



当然のことながら、芸能人や著名人が仏教徒である割合も高くなるわけであるが、同じく「出家」も男性であれば習慣的にごく普通に行われる。


日本の感覚からすると、たとえ一時的であるとは言え、芸能人や著名人が出家するとは、これまた一体、いかなるものなのか興味深い。



私はタイのある芸能人が出家をしていたことがあるというお寺で一時期、修行をさせていただいたことがある。


このお寺は、“修行”でも有名な僧院なのだ。



もっとも、私が出家していた時期に例のタイの芸能人の「出家」があったわけではない。


また、その芸能人と一緒に僧院生活を送ったこともない。



しかし、ともに僧院生活を送った比丘や沙弥たちの間では、“そのような話(このお寺で過去に芸能人が出家したという話)”が「伝説」のように語り継がれているので、私の耳にも入ってきたというわけだ。


人気の芸能人がこのお寺にいたことがあるとなれば、「伝説」となるのも当然だろうか。


もっとも、私にとっては、そのような事は、どちらかと言えばどうでもいいことではある。


私の目的ではないし、仏教や瞑想とも全く関係がない。





タイの僧院での出家式の様子。
参列者は、出家式が終わるとすぐに、われ先にと新たに比丘となった出家者へお布施をする。
~タイで購入した絵葉書より~





では、どうしてこのようなことを話題として取り上げたのかと言えば、先日、インターネット上でタイの芸能人の出家式の動画を偶然、目にする機会があったからだ。



それにしても、非常に便利な世の中だ。


リアルタイムに情報が入って来る時代。


ひと昔前なら、本当に考えられないことである。




のようなことがきっかけで、・・・そういえば、私が滞在していたかの僧院でも芸能人が出家したことがあるという話を聞いたことがあったということを、ふと思い出した次第だ。



その動画を見ると、その芸能人は、相当な人気を集めている芸能人らしく、出家の儀式は大層賑わっていたようであった。


しかし、芸能人といえども、出家をしたからには比丘である。


もうすでに在家の者ではない。


軽々しい態度は許されない。


出家者は出家者として振る舞い、在家者は在家者として接しなければならない。



そこは、世俗の世界で名がある人の出家であろうと、一般の人たちの出家であろうと全く変わらない。


一般の参列者の側も単なる「ファン」としてではなく、出家者に対する態度でもって接しなければならないのだ。


こういったところが非常に興味深いと感じるとともに、みんなが仏教の姿勢をとてもよく心得ているなと感じる場面である。



さて、もしも、日本であれば一体どうだろうか。


テレビや週刊誌で話題になるのだろうか。


「ファン」たちがお寺に殺到するのだろうか。


少しそのようなことを考えないでもない。





比丘たちの托鉢の様子。
出家した翌日から毎朝、托鉢に出なければならない。
~タイで購入した絵葉書より~





私が一時期修行をさせていただいた僧院でも、過去に芸能人がここで出家をしたらしいという話が“伝説”になっているくらいであるのだから、きっとタイ人の注目を集めたに違いない。


もしかすると、その後も「ファン」たちがその芸能人を慕って出家しに来ていたのかもしれない。


私と接した比丘たちの中にも、彼の「ファン」がいたかもしれない。



・・・もっとも、このお寺は「修行寺」としても知られている。


私は、その“修行”を目的としてその僧院へと入ったのだが、この事実には少々驚きであった。 




どのような立場にある者であったとしても、心穏やかに過ごす時間を持つことができること。



誰もにブッダの教えを学んで、実践できる機会が開かれているということ。



して、瞑想に邁進できる機会を持つことができるということは、大変素晴らしいことであると感じた。



瞑想修行とはいささか関係のない話題ではあるが、敬虔な仏教国であるタイらしいエピソードのひとつだ。


私が見た動画に映っていた大勢の「ファン」たちは、比丘にお布施をして徳を積むことができた喜びと、お目当ての芸能人を間近に見ることができた喜びでいっぱいだったに違いない。


2倍・3倍、いや10倍・100倍の喜びだったであろうことは想像に難くない。



(『芸能人の出家』)








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