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今年は、タイで著名なアチャン・チャーの生誕100年に当たる年だということである。
アチャン・チャーと言えば、タイ国有数の持戒堅固な森林派僧院として知られるワット・ノーンパーポンを創始した高僧として知られており、また多くの外国人比丘や多くの弟子たちを育て、指導したことでも広く知られている、現在においてもなお篤く尊敬されている高僧だ。
そうしたアチャン・チャーの弟子たちがタイ国の各地に森林僧院を開き、タイ国最大規模を誇る“森林派僧院グループ”を形成するに至っている。
外国人専門の僧院として知られているワット・パー・ナーナチャート(国際森林僧院)も同じ系列寺院のひとつである。
(当時、私が持っていたガイドブック『地球の歩き方』にも掲載されている。)
私が長らく止住させていただき、修行をさせていただいた森のお寺が、カーンチャナブリー県にあるワット・パー・スナンタワナーラーム僧院で、ワット・ノーンパーポン僧院の第117番目の支院にあたる森のお寺だ。
ちなみに、ワット・ノーンパーポンの系列寺院には、番号が付されており、
『ワット・ノーンパーポン(วัดหนองป่าพง) サーカー(สาขา) 第〇〇 ワット・パー・〇〇(寺院名)』
と称される。
『ワット・ノーンパーポン(วัดหนองป่าพง) サーカー(สาขา) 第〇〇 ワット・パー・〇〇(寺院名)』
と称される。
サーカー(สาขา)というのは、「支社、支店、支部」
パー(ป่า)というのは、「森、森林」
の意味で、『ワット・ノーンパーポン 第〇〇支院・〇〇森林僧院』といったほどの寺院名となる。
現在においても、アチャン・チャーがいかに篤く尊敬されているかがわかる。
アチャン・チャーの出身地であるウボンラーチャターニーには、アチャン・チャーの直弟子をはじめ、アチャン・チャーを直接知る人たちがいるそうだ。
とても偉大な指導者だけに、すでに“神格化”されているアチャン・チャーであるが(私の中においてもそうである)、そうしたお話を耳にすると、どこか親近感にも近い感情が湧いてくる。
本当に私と同じこの世界を生きた人なのだとつい胸が熱くなってくるのだ。
近年、日本においてもアチャン・チャーに関する書籍が多数出版されており、多くの人たちに知られるようになってきているということは、すでにご存知の通りであるかと思う。
ここで触れておきたいのは、ワット・ノーンパーポンの系列寺院に限らず、タイの多くの寺院や僧院では、仏教書を「施本」という形で無料頒布されているということである。
薄くて読みやすい小冊子から、すでに書籍とも言える分厚い「本」に至るまで、実にさまざまなものが無料頒布されている。
近年では、CDやDVDなども無料で頒布されているのだとか。
全て無料だというのだから驚きだ。
(※一部料金が定められているものもある。)
日本では全く考えられないことである。
いかにも仏教国らしい。
法話や瞑想指導書など、仏教書の内容も意外に幅が広い。
英訳された書籍も数多く無料で頒布されているので、もし、タイの寺院を訪問される機会があれば、是非とも手に取って読んでいただくのもいいかと思う。
ただし、無料頒布と言えども、いくらかのお布施は積極的にしていただきたいと思う。
ひとつは、“礼儀”として。
もうひとつは、自身の“徳”として。
それがどなたかの心に仏法が届けられる手助けとなり、さらに大きく広がっていき、そしてその人自身の大きな「徳」ともなるからだ。
そんな仏教国らしい素晴らしい一面を目の当たりにすると、非常に驚かされると同時に、とても心が温まるのである。
合掌・三礼 |
<アチャン・チャー>
【 พระโพธิญาณเถร(ชา สุภัทโท) 】
プラ・ポーティヤーン・テーラ(チャー・スパトー)
1918年6月17日生まれ
1992年1月16日遷化
(『アチャン・チャー生誕100年』)
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