タイ佛教修学記

佛法を求めてタイで出家した時のこと、出会った人々、 体験と学び、そして心の変遷と私の生き方です。


礼拝

阿羅漢であり正等覚者であるかの世尊を礼拝いたします

ナモータッサ ・ パカワトー ・ アラハトー ・ サンマー・サンプッタッサ(3回)


2019/04/09

森のお寺で見かけたある看板


タイの森のお寺では、仏教に関するさまざまな言葉や法話が書かれた“看板”がいたる所に掲げられていることがある。


それらは、経典の一文であったり、アチャンやルアンポー(先生、指導者、著名な高僧など)の言葉などで、実にさまざまだ。



もし、タイ語を理解することができるのであれば、静かな森のお寺の境内をゆっくりと歩きながら、こうした看板を見てまわるだけでも、とても深い学びとなる。


なかには、英語で書かれた看板もあるので、見落とさずに目を向けていただきたい。


森のお寺の境内へ足を踏み入れたら、是非とも、ほんの少しだけ、周囲を注意深く見渡して欲しいと思う。



先日、タイに住む私の友人から、ある森のお寺に掲げられていたという、ある一枚の写真を送っていただいた。


この看板に書かれている内容は、私もタイの森のお寺で見たことのある内容であったため、すぐに記憶が蘇ってきた。



森のお寺での生活態度やその在り方について、とても端的に、しかもとてもわかりやすく表していると感じたので、よく印象に残っていたのだと思う。


非常に大切なことでもあるので、ここに紹介したい。










直訳すると・・・




『少し食べる

少し眠る

少し話す


これが実践者である。



たくさん食べる

たくさん眠る

たくさん話す


これが馬鹿者である。』




わかりやい表現に訳し直してみると・・・




『少しの食事

少しの睡眠時間

少しの会話


これが修行者の姿である。



たくさん食べる

たくさん寝る

たくさんおしゃべりをする


これが愚かな者の姿である。』




といったほどの日本語になるだろうか。




まさに瞑想修行者の模範的な姿であり、森のお寺での生活そのものである。


少し厳しい生活のような印象を受けるかもしれないが、一旦、そうした生活の中へと入れば誰にでも実践できるものだ。



こうした姿勢は、出家生活や森のお寺での生活だけにとどまるものではない。


日常生活の中においても十分に通用するものであり、日々、重々心掛けておくべきことがらなのではないかと思う。



怠惰な生活であってはならないし、無意味なことをむやみやたらと話すものではない。


常にしっかりと目覚めて、気づきを保っている時間を増やすことに努めるべきである。


そうしていくことで、日常の人間関係における無意味な悩み事や要らぬ心配事は、随分と少なくなるだろう。


精神的な方面だけにとどまらず、身体的にもより健康な生活を送っていくことができるようになるのではないだろうか。



一瞬、躊躇してしまうかもしれないが、何も完璧でなくともよい。


たとえ、ほんの少しであっても改善につながったり、是非やってみようと思うだけでも十分に価値があるではないか。



常に心に留めて置くこと自体が大切なのである。


そして、心掛けていくこと自体が大切なのである。



自己の生活を振り返った時・・・


この看板の言葉と照らし合わせてみてどうだろうか?


反省させられることはないだろうか?



一瞬、ドキリとさせられる看板だ。



森のお寺は、実にさまざまな形でもって、常に、私たちへと呼びかけ続けてくれている。


それは、自然そのものであったり、風の音であったり、雨の音であったり。


虫の声であったり、小鳥のさえずりだったりもする。


あるいは、瞑想であったり、比丘による法話であったりもする。



こうした深い学びを得ることができる空間こそがお寺という空間であり、静寂な森の修行寺という空間なのである。



(『森のお寺で見かけたある看板』)






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