<仏足のお守り>
これは、バンコク市内にあるとある有名な大寺院で購入した“タイのお守り”である。
私の手元にあるタイのお守りは、どなたかからいただいたものがほとんど。
そのようななかで、自分で購入した数少ないもののひとつだ。
私は、不思議なことに「仏足石」との縁が深い。
振り返ってみると・・・私が学生時代に住み込みでお手伝いをさせていただいていたとある寺院には非常に古い歴史を有する仏足石が祀られていた。
また、私がタイで出家をしたお寺もまた仏足石を祀っているお寺で、寺院名にも「仏足」という言葉が入っているお寺であった。
私が出家をしたタイ北部のチェンマイ地方は、「仏足」に対する信仰が根付いている地域のようで、各地に多くの仏足石や仏足を祀った寺院がたくさんある。
私が出家をしたお寺と同じく、寺院名に「仏足」を付している寺院も多い。
還俗後、バンコク市内のとある有名な大寺院へ参拝に行った。
その際に見かけて購入したのがこのお守りだ。
仏足のお守り
細かな文様が施されている。
日本のものとも共通している部分もあって興味深い。
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タイでは、たくさんのお守りを目にする機会があり、とても大切にしながら身につけている人も多い。
実に多種多様なお守りがあって、見ていて飽きることがない。
とても目を楽しませてくれるのだ。
しかし、数あるお守りの中で「仏足」のお守りを見たのは、これが初めてであった。
“仏足石”に縁が深い私は、この珍しい仏足のお守りをひとつ購入していくことにした。
・・・実は、以前、この有名な大寺院には、チェンマイのお寺で寝食をともにした友達が止住していたことがあり、私も数日、彼の部屋に泊めていただいたことがあるのだ。
とても広い寺院のため、境内で迷ってしまう程なのだが、なんとなくわかるところもあるので境内を少し歩いてみた。
彼は元気にしているだろうか・・・と、当時を懐かしく想い出しながら、ひとり静かに過ごした。
もちろん、本堂へも参拝した。
この寺院のブッダ像は、とても安らぎを与えてくれる容姿をしているブッダ像で、もうすでに還俗をして、日本へ帰国しなければならないという私の複雑な気持ちを優しく癒してくれるかのような眼差しで私を見つめてくれた。
しばらくの間、蒸し暑くもあり、また涼しくもある静かなお堂の中で時間を忘れ、見上げる程の大きなブッダ像を眺めていた。
還俗した私の心は、本当に複雑だった。
それはうまく言葉として表現できるものではない・・・。
そのお堂の中で頒布されていたのがこの仏足のお守りだ。
どのようなご利益があるのだろうか。
タイ人に尋ねておけばよかったかもしれない。
このお守りを見ていると、その時の心境を思い出す。
そして、あの時、私の複雑な気持ちを優しく癒してくれるかのような眼差しでもって安らぎを与えてくれたブッダ像が目に浮かぶ。
もう一度、かのブッダ像に会いたいと思う。
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