タイ佛教修学記

佛法を求めてタイで出家した時のこと、出会った人々、 体験と学び、そして心の変遷と私の生き方です。


礼拝

阿羅漢であり正等覚者であるかの世尊を礼拝いたします

ナモータッサ ・ パカワトー ・ アラハトー ・ サンマー・サンプッタッサ(3回)


2022/06/09

タイ人が大好きな日本のアニメ『一休さん』


人気アニメ『一休さん』をご存知だろうか?


『一休さん』は、私が滞在していた当時のタイでは、国民的大人気アニメであった。


『一休さん』を知らないタイ人はいない。



もっとも、大抵の日本のアニメは、すでにタイに入っており、どれも尋常ではない人気ぶりだった。


『ドラえもん』などは、不動の地位を確立しているといっても良い存在であったし、『コナン(日本語名:『名探偵コナン』)』や『ポケモン』なども大人気であった。


他には、日本ではサッカーよりも野球の方が人気だが、タイでは野球よりもサッカーの方が比較にならないほど圧倒的に人気がある。


それゆえ、『つばさ(日本語名:『キャプテン翼』)』も国民的大人気アニメとなっていた。



・・・これは、およそ20年ほど前の話であるので、現在はどうなのかはわからない。



さて、日本のアニメは、概ねどれも人気を博しているのだが、タイ人に人気の数ある日本のアニメのなかでも、多くの日本人が驚くのが『一休さん』だ。


『一休さん』の人気ぶりは、『ドラえもん』や『ポケモン』などに全く引けを取らない。



日本では、どちらかといえば、子ども向けのアニメであるうえ、すでに放送終了となっている番組だ。


そんなアニメがどうしてタイで人気を博すのか不思議に思う日本人もいるのではなかろうか。



タイでは、現在でも(2022年6月現在)非常に根強い人気があるという話を聞いている。


なぜ、ここまでロングセラーなのであろうか。






長距離バスの側面に描かれた『一休さん』

バスに描かれるほど現在でも人気がある。

つい先日、友人が写真を送ってくれた。

(※使用の許可を得ております。)






それは、単刀直入に、仏教的な道徳観を背景にしているアニメだからである。


また、少年の出家生活を描いているアニメであるというところが(現代のタイにおいても、少年時代に僧院で出家生活を送ることがごく普通にある)、実際のタイの慣習に通ずる部分が多くあるからで、タイ人にとって容易に感情移入することができ、タイ社会へ大いに受け入れられた要因であると思われる。


いわゆる「とんち」がタイ人にも理解できたのかどうかが少々興味のあるところではあるのだが、それはともかく、タイ人にも理解することができて、しかもタイの仏教的価値観とも共通するところが大いにあるというわけだ。



ここで特筆すべきは、『一休さん』だけが他のアニメとは違い、すば抜けて人気があり、それが長期間に及んでいるという点である。


私が感ずるところでは、タイでは、目上の人や先生・師匠への敬意、または仏教への敬意が見られるものに対する尊敬の念が非常に強く、そうした姿勢が見られるアニメだというところが大きい。


特に仏教に対する敬意は、潜在的・無意識的に別格扱いとなり、無条件に信頼と親近感を抱く。


逆に言うならば、目上の人に対する敬意や仏教への敬意を欠くものに対しては、潜在的・無意識的に認められず、拒否されることになるということである。



いくら未成年の少年であったとしても、ひとたび出家をすれば、家庭を離れてお寺で生活を送らなければならない。


アニメの中で描かれているように、母を想う気持ちなどはタイ人の共感を呼んだに違いない。



ところが、ただ一点だけ、アニメ『一休さん』のなかで、タイ人が怪訝そうに眺める場面がある。


それは、「さよちゃん」の存在だ。



淡い恋心を描いているであろうと思われるのだが、タイでは、ひとたび出家をしたら、女性に触れることができない。


それだけではなく、女性と2人きりで話すことはご法度であるし、ましてや「恋心」などもってのほかである。



この点だけは、日本の仏教と、タイの仏教との大きな相違点であり、日本人には想像が及ばない点であるのかもしれない。



タイには、ニックネームで呼び合うという習慣がある。


日本人であるというだけで、『一休さん』と呼ばれることもある。


それだけ、このアニメがタイ社会に浸透しているということの証だろう。



現に、私の出家生活は、サーマネーン(沙彌/少年僧・見習い僧)から始まっている。


一休さんも、言ってみれば、少年僧であるからサーマネーンだ。


ゆえに、私は、タイ人から親しみを込めて「一休さん」と呼ばれたことがあるし、自己紹介の際には、「私のニックネームは、“一休さん”です。」と言えば、周囲のタイ人たちは大いに笑ってくれて、とても場が和むのであった。



アニメ『一休さん』がロングセラーである秘密は、出家生活を描いている点と仏教的道徳観を描いている点、そして仏教や目上の人に対する敬意を示す姿が描かれている点にあると言えるのではないだろうか。



この点は、現代の日本人は、再度、見直すべきなのではないかと思う。


古き良き日本人の姿は、一体、どこへ行ってしまったのであろうか?




(『 タイ人が大好きな日本のアニメ『一休さん』』)






▼ご登録はコチラから▼





ブログには紹介しきれない“こころの探究への旅路”を綴っています。


踏み込んだ話題やプライベートな話題、心の葛藤や越えてきた道のりなど、内面的なことがらに触れつつ、振り返っていきます。


一通、一通、心を込めてメールをお届け致します。


何かを感じて取っていただくことができましたら幸いです。


登録は無料です。どうぞ、お気軽にご登録ください。



⇓⇓⇓下記の登録フォームからご登録ください⇓⇓⇓





仏教の生き方とは何かを考え、真の仏教で生きる道を歩んでいきたい・・・


そんな思いをあなたとともにわかち合っていきたいと考えています。


日々、心穏やかで、心豊かな生き方を探究しています。







毎日更新しています!



情報交換や情報共有等、様々な方面で活用しています。


友達リクエストの際は、メッセージを添えていただきますようお願いいたします。






Facebook : Ito Masakazu




0 件のコメント: