タイ佛教修学記

佛法を求めてタイで出家した時のこと、出会った人々、 体験と学び、そして心の変遷と私の生き方です。


礼拝

阿羅漢であり正等覚者であるかの世尊を礼拝いたします

ナモータッサ ・ パカワトー ・ アラハトー ・ サンマー・サンプッタッサ(3回)


2020/05/29

出家したら心はおだやかになりますか?



『出家したら心はおだやかになりますか?』



ある人が私にこのように尋ねた。



答えは、「何も変わらない。」だ。



どういうわけか、出家をしたら無条件に全ての悩みが消え去り、心がおだやかになると思い込んでいる人が多いようである。



出家をしたところで、心は何も変わらない。


突然、変わるはずなどないのだ。



変わるとすれば、自身の心とのつき合い方、すなわちものごとの見方や捉え方が変わるのである。










出家をしたとしても、当然、苦手な人はいる。


人間関係から逃れられるはずはなく、腹の立つことや気分を害されることも当然ある。


そのような時は、やはり心はおだやかではない。



普段の生活と何ひとつ変わるところはない。



いくら出家の生活だとは言っても、人間関係はどこまでもつきまとうし、出家者同士の関係というものができる。



出家をしたら、世間の煩わしさから全て解放されると思うのは、大きな間違いだ。


むしろ、自身の心と真正面から向き合わなければならなくなるから、さらに苦しくなることもある。 


極言すれば、自身の心、すなわち自身の感情と向き合う(瞑想する、観察する)ために出家するのだから、その苦しさを越えられないのであれば、出家はしない方が賢明だろう。



感情に左右されないおだやかな境地へと至ることは、出家したとしても、そう簡単に成し遂げられるものではない。



瞑想修行を積んだ結果、至ることのできる境地ではあるのだが、私にはできなかった・・・。



ただ、私が気づいたことがらは、“出世間”たる出家者であろうとも、「世間」から逃れることはできないということである。


出家といえども、世間の中の出世間であり、所詮は“世間”の中で生きているのだ。



自身の心によって、ものごとの見方や捉え方が変わる。


その点は、出家であったとしても、在家であったとしても、何ひとつ変わらない。


全く同じである。



私がタイで得たことは、ただそれだけだ。



目指したはずの悟りの境地はもちろん、おだやかな心の境地へは至ることができなかった。



それどころか、出家をしても何も変わらなかった。



自分の醜さ、能力のなさには、ほとほと嫌気がさすほどだ。


しかし、それでも前へ進んでいなかければならない。



おだやかな心を得たい・・・そうした思いを持っていた。



瞑想修行のなかで感じてきたことや、私の日々の実践と生活のなかで感じてきたことをここに綴っている。


ほんの少しずつではあるが、冷静な心、おだやかな心が育ってきているように感じている。


それは、芥子粒の如く非常に小さな一歩かもしれないが、日々の生活の中で確実に成長しているし、また日々の生活の中で成長していかなければならない。




出家をしたからといって、全ての問題が解決するなどといったことはない。


服装や生活様式は、変わるかもしれない。


しかし、人間の内面は何ひとつ変わることはない。



出家であっても、在家であっても、毎日の生活のなかで心を育てていかなければならないのである。



日常生活の中の小さな実践であったとしも、仏法の実践であり、おだやかな心への道である。


全てが仏道であり、悟りへの道であると私は確信している。



(『出家したら心はおだやかになりますか?』)








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