タイ佛教修学記

佛法を求めてタイで出家した時のこと、出会った人々、 体験と学び、そして心の変遷と私の生き方です。


礼拝

阿羅漢であり正等覚者であるかの世尊を礼拝いたします

ナモータッサ ・ パカワトー ・ アラハトー ・ サンマー・サンプッタッサ(3回)


2019/11/29

瞑想・・・厳然たる事実を観る



『苦しみは長くは続かない』


『楽しみは長くは続かない』



これは、安らぎの言葉なのだろうか?



あるいは、戒めの言葉なのだろうか?



私が大学生の頃、図書館の壁に掲示されていた言葉である。


私は、仏教の大学に学んだ。


仏教の大学とあって、このような言葉が学内のいたる所に掲示されている。


数ある標語のなかで、なぜかこの言葉だけが強烈に私の記憶に残っているのだ。


他の言葉は、何も覚えていない。



おそらく、今の安定が崩れ去るのが相当恐ろしかったからではなかろうか。


だからこそ、深く私の記憶に刻みつけられたのだと思う。






『STILLNESS FLOWING The Life and Teachings of Ajahn Chah』
の挿絵より。





さて、この言葉。


果たして、何人の学生たちの眼に入っているのだろう。


自由で楽しい大学生活の中で「楽しみは長くは続かない」などと言われたとしても、どれだけの学生がそうだと思うのか。


しかし、これだけ強烈に私の記憶に残っているのであるから、他にも響いている人間が必ずいるはずだ。



思えば、この言葉・・・


実に不思議で、実に広大であると思う。



今、苦しんでいる人にとっては、「励み」となる言葉だ。



苦しみは長くは続かないのであるから。



一方で、今を楽しんでいる人にとっては、とんでもない言葉となるだろう。


楽しみは長くは続かないのであるから。



これほど真理を突いた言葉もないのではないか。



全てのものは常に移り変わり、一瞬たりとも留まることはない。


たとえどんなに苦しいことであったとしても、永遠に続くことはない。


たとえどんなに楽しいことであったとしても、永遠に続くことはない。



次の瞬間には、どのようなものであっても、別のものへと変化していくのである。


この厳然たる事実をわかったうえで、「今」を生きていかなければならないのだ。



そのための訓練が瞑想である。



静寂で、穏やかで、ゆっくりと時が過ぎてゆく森の修行寺での生活。



そんな環境にもこうした真理(法則)は例外なく働いているのだ。



日々の生活を整え、心の落ち着きを保ち、全ての事象の生滅変化を観察していく眼を育てていく。


静寂の中での瞑想生活だからこそ、世の中の真理がよく感じ取れる瞬間がある。



森の修行寺での瞑想生活だからこそ、身をもって感じ、身をもって学ぶことができるのだ。



『苦しみは長くは続かない』



『楽しみは長くは続かない』



時には安らぎとなり、時には戒めの言葉となる真理を突いたこの言葉。


タイの森の修行寺で初めてその意味が腑に落ちた。


しかしながら、この言葉は、大学生には少々難しい言葉なのではないだろうか。



(『瞑想・・・厳然たる事実を観る』)










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