タイ佛教修学記

佛法を求めてタイで出家した時のこと、出会った人々、 体験と学び、そして心の変遷と私の生き方です。


礼拝

阿羅漢であり正等覚者であるかの世尊を礼拝いたします

ナモータッサ ・ パカワトー ・ アラハトー ・ サンマー・サンプッタッサ(3回)


2019/10/19

輪廻転生のこと



ブッダは、直接、輪廻転生を説いてはいない。


しかし、仏教の前提として輪廻転生があるのだと思う。



現代の日本社会は、証明することのできないことや所謂“科学的ではない”とされていることがらに対しては、頗る消極的だ。


現代の日本仏教もその風潮に迎合してなのか、そういったことがらを極度に避ける雰囲気を強く感じる。


私が学んだ仏教の大学においても、輪廻転生をはじめ、所謂“科学的ではない”とされていることがらに対して、ブッダは説いていないことがらだとして詳しく説明をしない。


輪廻転生を問題にするよりも、今取り組むべきことを問題にせよと、どこか釈然としない説明で逃げられたことを記憶している。



私は、仏教としてはどう考え、どうとらえて、どう理解するべきなのかを質問しているのだ。



経典には、輪廻転生は「ある」と読める表現や、「ある」として読み進めた方が理解しやすく、腑に落ちる表現が数多くある。


さらに、転生を論理的に説明した論書や転生の瞬間を解説した論書まであるのだが、なにぶん私は勉強不足ゆえ、詳細には立ち入らないことにする。


ここでは、タイでの一般的な認識と私の感じたところを書かせていただくこととしたい。





タイの地獄絵





タイでは、一般的に私たちは「輪廻転生」するものだと理解されている。


誰から教えられたというわけでもなく、「輪廻転生」というものを信じている。


つまり、“来世はある”と信じられているのだ


お布施をすることも、出家をすることも、徳を積むことも、みな来世のためである。


来世をより善きものとするためであり、より幸せなものとするためである。



冗談で言っているのではない。


心の底から輪廻というものを信じているのだ。


さらに言えば、そうした価値観がタイ社会の根底に流れており、社会を成立させていると言える。


いわば、輪廻転生は、タイの一般常識なのだ。



本来ならば、日本の仏教であっても、前提として輪廻転生があるはずである。


ところが、それを正面から見ていないように感じられる。


どの宗派においても説明することを避けているのではないだろうか。



証明できないことを好まない、所謂“科学的ではない”とされていることがらを嫌う現代社会にあっては、そうした傾向が強くなることは仕方のないことなのかもしれないとは思う。


それは、大学での仏教の学問に顕著に表れているように感じた。


経典や仏教の論書の中には、明らかに説明されていることがらであるにも関わらず、である。



輪廻転生は、単なる非科学的なことがらなのだろうか。


地獄絵は、単なる子どもたちへの戒めに過ぎないものなのだろうか。



やはり輪廻転生は、仏教の大前提であるといっても過言ではないと私は思う。


仏教の立場からの論理的な説明が必要だと感じるのは私だけであろうか。





タイの地獄絵





タイの地獄絵




私は、悟りに至ることのできないような仏教であれば、それは意味がないと思っていた。


ブッダのように“今生(今の人生)”で悟りに至ることができなければ、それは無意味だと思っていた。



しかし、タイ人風に考えてみてはどうだろうか。



人生は、今回のこの人生で終わってしまうのではない。


転生を経て、他の命に生まれ変わる。



たとえ、今生で悟ることができなくても、善き行いをたくさん積んで、善ききっかけをたくさん作りながら、少しずつ自身の境涯を磨いていく。


来世は、より善き生まれ変わりを願う。


まずは、そのために善行を積んでいく。


瞑想を実践していく。


真理にしたがって、より穏やかな生活を送っていくことができれば、ひとまずそれでよいではないかと。


少しずつ悟りへと近づいていくことができれば、ひとまず今生では、それでよいではないかと。



・・・そのように考えると、今まで固く考え過ぎていた私の中の何かがすーっと解けていき、束縛を離れたおおらかさを感じたのであった。



(『輪廻転生のこと』)





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