タイ佛教修学記

佛法を求めてタイで出家した時のこと、出会った人々、 体験と学び、そして心の変遷と私の生き方です。


礼拝

阿羅漢であり正等覚者であるかの世尊を礼拝いたします

ナモータッサ ・ パカワトー ・ アラハトー ・ サンマー・サンプッタッサ(3回)


2019/10/09

瞑想の良し悪し


ポジティブに生きる。


ストレスフリーに生きる。



・・・といったような言葉をよく見かける。


それらが昨今の風潮を表しているのだろう。



しかし、果たしてどれほどのものなのか。


それほど簡単にできるものではないと私は思う。



仏教は、どれだけ心に善い影響を与えていくことができるのか、ということを大切にしている。


いかに善い影響を与えることを実践していくのか。


いかに善い影響を受けるものへと近づいていくのか。



逆に、いかにして悪い影響を受けないようにしていくのか。


いかにして悪い影響を受けるものを遠ざけていくのか。



そこを基準にして自身の行為・行動を意識していかなければならない。


それが、仏教的な生き方だ。




さて、「今日の瞑想は良い瞑想じゃなかった」という言葉をよく耳にする。


もちろん、体調がすぐれない時もあるだろうし、なかなか集中できない時もあることだろう。


睡魔に襲われることもしばしばだ。


一見すると、「良くない瞑想」、「悪いこと」である。


しかし、それは瞑想的な見方なのではなく、所謂“世間的な”見方だということを知っておかなければならない。










ヴィパッサナーとは、「事象の生滅変化を観察する」ということであった。


出会うさまざまな事象について、自分勝手に「判断しない」「解釈しない」「分析しない」ことだ。



どうしても、自分が思う理想の「状態」というものに固執してしまいがちであるが、決してそこにとらわれてしまってはいけない。


たとえ、今日の瞑想がうまくいかなかったとしても、それはそれで全く構わない。


「うまくいかない」という状態をはっきりと観ていかなければいけないのだ。


そこに良い・悪いの判断を与えてしまってはいけないのである。


良い・悪いの判断を与えてしまえば、そちらの方向へと感情が流れていってしまうからだ。



うまくいっていないという状態がいけないのではない。


うまくいっていないという状態を観察できていないことがいけないのだ。



瞑想は競争ではない。


勝ち負けもなければ、良い悪いもない。


出来事自体は、全てニュートラル(中立的)なものである。


良い・悪いの判断をくだしているのは、他でもない自己の“心”である。



そうした判断もまた、所詮は自己の感情の中でのことでしかないのだということを知っておくべきであると思う。



とはいえ、そうした執着からすぐに離れられるものではない。


うまくいっていないということを観察できるようになるまでには、少し時間がかかるのかもしれない。


苦しいのかもしれない。



しかし、悩みながら生きてもいいではないか。


ありったけの力を振り絞って、無理をしながら“楽に”生きようとしなくてもいいではないか。


悪いと思っている部分を「悪い」ととらえると、その瞬間から「悪い」ことになってしまう。


悪いととらえて、思い悩み、苦しんでいるようであれば、それは明らかに自分の心にとっても悪い影響を与えていることになるだろう。



今、普通に日本の社会の中で暮らし、悩み・苦しみとともに生活をしている。


その苦しみも、サティ(気づきを与える)するだけで随分と楽になるものだと感じている。



苦しんで、苦しんで、ある時、フッと力が抜けた時。


大切な学びがあるのではないだろうか。



私もタイでは瞑想が進まずに、大いに苦しんだ。


日本へ帰ってからも大いに迷った。



案外、その“迷走”からの学びは大きかったのではないかと思う。



(『瞑想の良し悪し』)





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