タイ佛教修学記

佛法を求めてタイで出家した時のこと、出会った人々、 体験と学び、そして心の変遷と私の生き方です。


礼拝

阿羅漢であり正等覚者であるかの世尊を礼拝いたします

ナモータッサ ・ パカワトー ・ アラハトー ・ サンマー・サンプッタッサ(3回)


2020/03/29

タイの瞑想法についての一考察



タイには、瞑想法の流れがいくつかある。


私が知る限り、主な瞑想法だけで4つの瞑想法が実践されている。


しかし、それらは、時代的には新しく、近代になって現れた特定の瞑想指導者によって創始された瞑想法がほとんどである。


つまり、瞑想法を創始した人物がはっきりとしているのだ。



例えば、膨らみ縮みの瞑想法(マハーシ式の瞑想法)であれば、ミャンマーのマハーシ長老がその創始者であるし、プラユキ師が日本で教えているチャルーンサティであれば、ルアンポー・ティエン師、ワット・パクナムやワット・タンマカーイのサンマーアラハンの瞑想法であれば、チャオ・クン・モンコン・テープムニー師(ルアンポー・ソッド師)がその創始者だ。



それでは、それらの創始者が現れる以前のタイでは、一体、どのような瞑想法が実践されていたのであろうか。


私としては、非常に気になるところである。




現在、タイで実践されている代表的な瞑想法を以下に挙げてみた。


あくまでもこれは、私が知る狭い範囲での、私の勝手な分類である。



・膨らみ縮み(マハーシ式の瞑想法)



・アーナパーナサティ

ⅰ、プットーの瞑想法

ⅱ、数珠を使った呼吸系の瞑想法など


・サンマーアラハン(法身瞑想法)



・チャルーンサティ(手動瞑想)



ちなみに、タイ国内にある瞑想修行が可能な寺院の基本情報を集めて、とてもコンパクトにまとめた英語のガイドブックに

A GUIDE TO BUDDHIST MONASTERIES AND MEDITATION CENTRES 
IN THILAND

という小冊子がある。



タイの各瞑想寺院の概要と瞑想法、住所などが紹介されている。


これは、大変わかりやすく、非常に重宝する一冊で、私も大いに参考とさせていただいた小冊子だ。



特に私が注目したのは、その僧院では、どのような瞑想法が実践されているのかという情報が掲載されているところである。


このガイドブックに見られる瞑想法ついても、おおむね私が挙げた4つであることから、やはりタイにおける主流の瞑想法は上記の4つと考えてよいのではないかと思う。













現在タイで多数派の瞑想法となっているマハーシ式の瞑想法は、当時のタイには体系的な瞑想法がなかったことを危惧したタイサンガがミャンマーへ留学僧を派遣してタイへ伝来したという歴史がある。




4つの瞑想法の中で、創始者がわからない、創始者が明らかにわかっている瞑想法よりも古い瞑想法は、「アーナパーナサティ」と「プットー」である。



日本で出版されているタイのある高僧の聞き書きには、時と場合に応じた瞑想法が指導されていたらしいことが記述されており、ある特定の瞑想法のみを専修するといった現在のような手法は採っていなかったようだ。




なお、数珠を使った瞑想法については、元来、数珠は上座仏教にはないものではあるが、ミャンマーではかなり広く普及しているという情報を伝え聞いている。


同じく、タイにおいても数珠は存在することから、比較的古くから数珠を使った瞑想法も実践されてきたのではないかと想像する。



余談ではあるが、アチャン・チャー師の伝記やワット・パクナムのルアンポー・ソッド師の伝記などを読むと、チャー師やソッド師が修行された当時の様子が窺い知れて非常に面白い。



これもまた憶測となるのであるが、個人的に瞑想の師を訪ねて、個人的に瞑想指導を受けられたのではないだろうか。


これこそ真摯なる求道の姿だ。




以上のことから考察するに、現在のタイにおける主流の瞑想法は4つであるが、それ以前は、おそらくアーナパーナサティやプットーなどの呼吸系の瞑想法が細々と実践されていたのではないかと考える。



また、『アーナパーナサティスッタ(安般念経・入出息念経)』(森林僧院では、毎日の勤行時に読む)や『マハーサティパターナスッタ(大念処経)』などといった経典があることから、森林僧院の生活自体を瞑想とするという伝統的な考え方のもと、おもに呼吸系の瞑想法を中心として、時と場合に応じた瞑想法が実践されてきたのではないだろうか。


しかし、実践面たる瞑想指導としては体系化されたものを持っておらず、混沌とした中でも脈々と実践され続けてきたのではないだろうかと想像するのであるが、果たしていかがであろうか。




古のタイの瞑想にとどまらず、ブッダとその時代のその弟子たちは、どのような瞑想法を実践していたのだろうかと思いを馳せると、果てしないブッダへの憧れの気持ちが溢れてくる。




ぜひとも、タイの仏教史や瞑想史に詳しい方のご教示を賜りたいと思う。



(『タイの瞑想法についての一考察』)










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